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王様は裸じゃないか。      指差す子供もちんこ丸出し。


by bbh_x

国体ということ

昭和天皇の合祀反対メモ - ダワーの「敗北を抱きしめて」から

さて、ロートルサヨブログとして結構知名度の高い↑ここ。
たまに覗くのだが、今回は意外に面白かった。

>ダワーの「敗北を抱きしめて」の面白いところは、昭和天皇を利用して日本を統治しようしたGHQが、実は昭和天皇の側にその意図を見抜かれて、逆にすっかり昭和天皇に取り込まれている真実を暴いているところにある。昭和天皇の方がGHQを飼い馴らしている。

この表現に私は喝采を送る。
まさに皇家の真骨頂。
天皇の中の天皇。昭和帝こそ大帝と呼ぶにふさわしい。

そういう記述をしていながら
「どーだ、こいつってばひどいよなー」
と、読者がとってくれるとおもっているところが噴飯物である。

A級戦犯たちが「忠臣」であり、彼らと運命をともにすることこそ「義」とするのはわかりやすいが、それは「天皇」の正義ではない。
しょせん臣下である「さむらい」の正義であり、臣下は散ることにこそ美がある。
A級戦犯は最後に国の御盾となる最高の美の舞台を与えられたのだから、これに勝る名誉はない。
A級戦犯の喜びはここにこそある。
天皇が彼らを顕彰せずとも、彼らに不満のある筈がない。
自分たちを捨てて、「生き残る」ことが天皇の義務であり、捨てられることによって逆に彼らは永遠の価値を得ることになるのだから。

日本軍閥からGHQへの権力交代は、鎌倉幕府が滅んで足利幕府が興り、織豊政権が滅んで徳川幕府になり、徳川幕府が薩長に取って代わられた、この流れと何も異なることがない。
まして、天皇はGHQというあらたな勝者も掌中に収めてしまったと言う。

天皇あるかぎり国体が続くという日本の体制にあって、舶来の強者であっても、それが天皇を守るかぎり、その強者は「日本」にひれ伏していることになる。
これを痛快と言わずしてなんといおう。

なんとなく、A級戦犯とGHQの関係は、楠木正成と足利尊氏の様である。
A級戦犯が天皇の盾となり、しかし捨てられた、とするならば、巣鴨プリズンは湊川である。
彼は「捨てられた」ことで伝説となった。
一方、天皇を利用しようとし、「紙か木で作ってしまえ」と誇った勝者は、結局歴史の中で長く逆賊の汚名を着ることになったのである。
by bbh_x | 2006-08-04 12:02